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環境教育啓蒙

1.小学校との協働で推進する環境保全型農業 (タイ・ピサノローク)

2.農村域での環境教育と堆肥化技術の啓蒙活動 (カンボジア)

3.NGOと大学との連携による食農環境教育支援システムの構築 (カンボジア)

4.国際環境協力ファシリテーターの養成を目指した人材養成・研修 (日本)

5.環境教育啓蒙の教材開発と出版 (日本、タイ、カンボジア)

1.小学校との協働で推進する環境保全型農業

タイ・ピサノローク県では、1980年代半ばより化学肥料や農薬のみに依存した農業が急速に展開されてきました。化学肥料の増大によって農家の経営が圧迫されるだけでなく、雨期には化学肥料や農薬が下流域に流出して富栄養化など深刻な環境問題を引き起こしています。

多くの農家は有機農業に興味を持っているものの環境保全に対する意識が低く、生産性の向上のみを求める傾向にあります。
このため、有機農業を推進して土地生産性の回復をはかるとともに、河川や池沼など水環境の修復保全を進めることが急務となっています。

また、タイでは地方の中学校就学率が50%を切る場合もあり、中学に進学しない多くの生徒は農業に従事します。
そこで、本活動では農家だけではなく次の担い手である小学生を対象として環境教育啓蒙を展開し、環境に調和した持続的農業の素地を固めて行くことを目的にさまざまなプログラムを実施しています。

2007年より3年間の計画で、現地の農家や小学校の教員・生徒と協働で「環境に調和した持続的農業における堆肥づくり」「有機農法における防虫液づくり」を行いながら、活動終了後も現地農家が自立して有機農業を継続できるように、能力強化(キャパシティー・ビルディング)に重点を置いた研修やワークショップなどを実施しています。

小学校教員・生徒を対象としたワークショップ 小学校教員・生徒を対象としたワークショップ 
小学校教員・生徒と協働での堆肥づくり小学校教員・生徒と協働での堆肥づくり

2.農村域での環境教育と堆肥化技術の啓蒙活動

カンボジアでは内戦終結後の1990年代以降、メコン河流域に位置する近隣諸国と同様に自給自足型農業から輸出志向型農業へ変貌する過程にあり、農業生産性を高めるための化学肥料および農薬の大量使用が問題となってきています。これらは土壌の劣化とともに水環境の汚濁を進行させ、長期的にみた農業生産域における土地生産性の低下のみならず生態系や生活環境にも悪影響を生じています。そこでこれらの汚染源となっている農業生産域において有機農業の推進を図るとともに、水環境の修復保全に取り組むことが急務となっています。

そこでERECONでは、現地の農民が資源循環型農業に対する理解を深め、施肥量・農薬使用量の適正化を図って地域環境と調和のとれた環境保全型農業を構築することを目的に、カンボジア農村の現地農家を対象に作物残渣の火入れ削減を目指したコンポスト技術の普及を行いました。

現地農家が自立して資源循環型農業に取り組めるように、農家グループの形成を進め、現地農家の火入れ削減とコンポスト(堆肥)に関する理解を深め、意識向上を図ることを目指し、ワークショップを開催しています。また、現地農家が自由にコンポストづくりに取り組めるように、コンポストボックスを作成し、農家グループ毎のコンポストづくりの取り組みを推進しています。さらに、コンポストボックスづくりを軸とした有機農業の推進に関するパンフレットを作成し、各ワークショップにおいて無料配布し、有機農業の啓蒙を図っています。

コンポスト技術の推進活動
ワークショップでの現地農家の活動発表ワークショップでの現地農家の活動発表

 

3.NGOと大学との連携による食農環境教育支援システムの構築

食農環境教育に長年の実績を有する東京農業大学(TUA)と連携し、タイ・カセサート大学(KU)、カンボジア・王立農業大学(RUA)、Association of Environmental and Rural Development(AERD)との協働で、メコン河流域のタイ・コンケン県とカンボジア・プノンペン市の小学校を対象として、「食農環境教育の支援システム」を構築するための活動を実施しています。

小学生を対象に有機農業を通した食農環境教育を実施し、長期的な視点での土づくりや水環境保全の重要性を理解し、環境に調和した持続的農業を実践できる人材の育成をモデルとした教材開発や教育支援システムの構築を目的としています。

2007年度の活動では、食農環境教育用の教材「持続的農業と有機肥料」とパンフレットを作成配布するとともに、「NGOと大学との連携による食農環境教育支援システムの構築に関するワークショップ」を開催しました。また、現地の小学校で堆肥づくりや有機菜園を軸とした食農環境教育セミナーを開催するとともに、アンケート調査によって活動内容や理解度の評価を行いました。さらに、小学生の保護者も対象として、有機農業や環境保全に対する意識を高めました。
2008年度は「食農環境教育に関する支援制度の整備」に重点を置き、現地の教育行政機関と連携して教員研修やファシリテーター研修会の実施と食農環境教育モデルの推進にあたりました。

小学校における食農環境教育セミナー
小学校における食農環境教育セミナー
小学校での堆肥づくり小学校での堆肥づくり

 

 

 

4.国際環境協力ファシリテーターの養成を目指した人材養成・研修

環境保全を考慮して農業・農村開発に従事できるNGOスタッフの養成を目指して、「農業・農村開発と環境保全」人材養成・研修事業を実施しました(2006年11月)。

[ 主な研修内容 ]

(1)「環境保全型農業の位置づけとNGO の役割」
アジェンダ21 における環境保全型農業の位置づけとNGO の役割について。住民参加度に基づいた国際協力プログラムの評価レポートの作成方法の指導。

(2)「農業生産域からの環境負荷物質の流出と土壌・水環境の保全対策」
吸収型および排出型に働く農業的土地利用について理解を深め、農業生産域から流出する環境負荷物質の削減方策について概説。河川水質の濃度、流量、負荷、比負荷の計算方法と、汚染物質の比負荷に基づいた流域での営農形態の評価方法の習得。

(3)「NGO プログラムにおける住民参加の意義」
PRA手法(参加型農村調査法)とNGOプログラムにおける住民参加の意義について。

(4)「NGO による環境保全型農業の推進事例」
ERECONが東南アジアで推進している堆肥づくりとペレット堆肥づくりの実習、ERECONが実施した環境保全型農業の推進事例の紹介。

(5)「住民参加の程度に基づいた各種NGOプログラムの活動評価」
住民参加の程度に基づいた農林業分野における各種NGOプログラムの活動評価について、参加者による報告と評価基準やプログラムの背景等についての質疑応答。

その他、スペイン、マレーシア、タイからの3名のファシリテーターによる特別講義を織り交ぜ、スペインのサンチャゴ・デ・コンポステーラ大学が推進しているサハラ砂漠での飲用水確保プログラムの事例、マレーシアの潅漑排水局が実施している参加型農村開発調査法の事例紹介のほか、ERECONの活動によりタイ東北部・北部で普及しつつあるペレット堆肥の肥効と環境負荷の削減効果についての説明を行いました。

講義
講義
ペレット堆肥づくりの実習ペレット堆肥づくりの実習

 

 

5.環境教育啓蒙の教材開発と出版

カンボジアでは内戦終結後の1990年代以降、メコン河流域に位置する近隣諸国と同様に自給自足型農業から輸出志向型農業へ変貌する過程にあり、農業生産性を高めるための化学肥料と農薬の大量使用が問題となってきています。タイでも自給自足型から輸出志向型農業へ変貌するのにともない、化学肥料や農薬の農地への投入量が年々増大傾向を示す中、乾期には作物残渣の火入れも行われており、土壌の劣化とともに池沼等の富栄養化が進行しています。

そのため、長期的にみた農業生産域における土地生産性の低下のみならず生態系や生活環境にも悪影響を生じており、これらの汚染源となっている農業生産域において有機農業の推進を図るとともに、水環境の修復保全に取り組むことが急務となっています。

また、タイとカンボジアでは農林水産業が重要な産業であり、農村域では子どもも貴重な労働力となるため、農村域における中学校への進学率は低く、農業の担い手となる子どもたちに向けた初等教育における環境教育の推進の必要性が認識されています。

そこで、持続的な環境保全型農業の素地づくりを目指して、タイとカンボジアの小学校での総合演習等の時間を活用し、持続的農業や水環境保全を軸とした環境教育の普及を図るため、環境教育啓蒙用の教材開発と出版に取り組んでいます。

環境修復保全機構の国際環境協力は、NGO アリーナ寄付サイト、NGO サポート募金(JA NIC)、イーココロ・クリック募金、igreen等を通してご寄付頂いた方々をはじめ、多 くの市民の方々からのご支援に支えられています。 またこれまでエコポイント、公益財団法人日本国際協力財団、公益社団法人国土緑化推進機構、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構、三井物産環境基金、独立行政法人環境再生保全機構、独立行政法人国際協力機構、社団法人国際農林業協働協会、株式会社キューセン、株式会社河辺商会 、タイ国・カンボジア国の各種法人や企業等より、活動支援を頂いております。ここに 記して深謝申し上げます。

 

 

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