2023年度活動報告(2023年度4月〜2024年3月)
コンポンチャム州スレイサントール郡の現地農家を対象に自然資源を活用した持続的農業の技術(完熟堆肥、生物起源防虫液、液肥づくり等)を指導するとともに、女性を中心とした農業組合の能力強化を図ってきました。最終年度のフェーズ 3では、ニュージーランドのPlant and Research Instituteからの農業専門家を招いて営農上の課題解決を目指すとともに、有機農産物取扱い企業との連携を促進してきました。その結果、本団体の支援なしで農業組合が直接企業と交渉できるようになりつつあります。さらに、2024年2月にはコンポンチャム州農林水産局長の出席を得て、スレイサントール農業組合の年次報告会を開催しました。これまでの3カ年の事業を通して、組合員が独立して組合を運営していける能力をある程度身に着けることができたと考えています。今後の課題としては、企業との取引の安定化とともに灌漑施設の充実等があります。事業終業後もフォローアップを定期的に行い、組合をソフト面から支援していく予定です。
持続的農業(生物起源防虫液)に関する技術指導(2-1)
(カンボジア国コンポンチャム州)
カンボジアの農村域における学校建設やリノベーションに地域住民が労働奉仕することで、地域住民がオーナーシップを持って持続可能な学校環境づくりや持続可能な農村開発に取り組むことを目指しています。具体的には、地域住民が労働力や資材の提供により建設費の約20%程度を負担し、その額を地域の「開発基金」として還元してその後の学校の維持管理や持続可能な農村開発に資する基金とするものです。フェーズ 1では、トボンクムン州ダンバエ郡にある2小学校の建設を行いました。3月には落成式を行い、支援者である日本財団、トボンクムン州副州知事をはじめ、トボンクムン州教育局、ダンバエ郡等の政府関係者も参列し、新校舎が学校に引き渡されました。今後、基金を活用した農村開発事業が実施されます。開発基金委員会が中心となり、コミュニティビジネスをスタートさせ、利益が教育環境の改善に活用されることが期待されています。本事業では自助努力がないところに支援はなく、地域住民の強いコミットメントが求められます。地域住民のオーナーシップを育て、持続可能な学校環境づくりと持続可能な農村開発を進めていきます。
本事業で建設した小学校校舎の引渡し式典(2-2)
(カンボジア国トボンクムン州)